花匠 ばら壱では北海道の気候に合わせたバラの肥料を独自に作っており、春、夏、秋の三種類をご用意しております。
その中でも今回は「春の肥料」の使い方をご説明します。
春用の肥料は、北海道の長い冬を耐えたバラに芽出しの力を与えます。
記録的な大雪となったこの冬ですが、バラのお手入れをしたくて待ちきれない方も多かったのではないでしょうか。
雪が溶けて気温もプラスになってきたし、早く肥料をあげてバラに力を付けたい!でも、春になってバラに肥料をあげるのはいつがいいの?というご質問をよく頂きます。
そこで肥料の基本の勉強です。
肥料の成分が土に溶けるためには温度と水分が欠かせません。そして何より、バラの根が活動を始めないと養分を吸うことができません。
その適期は地面の温度が15℃から18℃を越える時期、4月の下旬です。
地面が温まるのは時間がかかるので、地温が18℃に届くのは気温が18℃まで上がる時期よりも遅く、ゆっくりと地面の温度が上昇します。北海道の農家さんも「カッコーが鳴いたら野菜を植える」と昔は言ってたそうですので、地域によっては目安になるかもしれませんね。ばら壱のバラ専用肥料を最初にあげる時期は4月下旬、GWの連休前と覚えてくださいね!
お店でもお客様とお話しをしていると「えー!知らなかった!もう肥料をあげちゃった!」という方も時々いらっしゃいますがご安心ください。
もし肥料を早くあげてしまっても、バラ苗にダメージはありません。
でも、4月の上旬だとまだバラの根が活動していないので、せっかく肥料をあげても吸収されません。水やりの時に養分が鉢の外に流れ出てしまうだけなのです。ちょっと勿体ないですね。
2回目の肥料は、1回目の肥料の3週間後に与えます。
4月下旬にあげたら、5月中旬ですね。一般的に化成肥料は1ヶ月、有機肥料は1ヶ月半で肥料の成分が溶けてなくなると言われています。
ばら壱の肥料は化成と有機のバランスを独自に配合していますので、その中間の効き目です。1回目に上げた肥料の効果が完全に切れる前に2回目の肥料を与え、バラ苗に蕾を作る力を与えます。
そして6月の上旬から中旬は蕾ができる季節です。
バラに蕾が見えたら肥料をあげるのは止めてください。花の色が変わったり、蕾の形が悪くなったりしてしまうためです。この時期に栄養をあげたい時は液体肥料が良いでしょう。
6月下旬から7月上旬は待ちに待った一番花の季節です。
北海道の長い冬を耐えたバラが一斉に咲き、眺めるだけで幸せな日々ですよね。この一番花までが春用肥料の役割です。
そしてもうひとつ、春の肥料の例外的な使い方をご紹介します。
バラの栽培はうどん粉病や黒点病など葉にダメージを与える病気との闘いですよね。
健康なバラを育てるには病気に強い品種を選ぶのが一番ですが、それでも病気が出てしまった時に、ばら壱の春用の肥料が助けになります。
うどん粉病や黒点病など葉にダメージを受けるタイプの病気が出たら、全体の2/3程度の葉を落として薬をかけたあとに、一度だけ春用肥料を与えてください。春用肥料は芽出しの力を与えるので、樹勢の回復を助けることができます。
しかしこの時にひとつ重要なことがあります。
何度も春の肥料をあげてはいけません。そうすると栄養が偏ってしまうので、寒くなる時期に病気に弱くなってしまうのです。「春の肥料を一度だけ」というのが大事なポイントです。
花匠ばら壱オリジナルの春の肥料は小袋、大袋の2種類ございます。
1株あたり30g、女性の手でひとつかみを株の周りに撒いてください。肥料を株の根本に置くと、肥料を吸い上げるための根の先端に届きません。株元から周囲30センチ、または株を上から見て、枝の真下に肥料が来るように撒いてください。
小袋は7株前後、大袋は20株前後に使うことができます。
密封できるチャックがついており、余った肥料は腐らないため何年でも保存することができます。初めてバラを栽培される方は春・夏・秋の3種類の小袋がセットでお得になっています。
何株も育てている方は大袋での購入がお得です。江別のお店の店頭で取り扱っております。また肥料のご注文は3000円から送料無料となっているので、ぜひお試しください。
それでは春の肥料の復習です。
雪が溶けてもまだ我慢、1回目の肥料は4月下旬になってから。2回目の肥料は3週間後、5月中旬を目安にしましょう。蕾が見えたら肥料はストップしましょう。
春の肥料を2回あげたあとは花を咲かせ、夏の肥料に切り替えます。多くのバラの教科書では夏には肥料を与えるのを止め、花を咲かせないために剪定することが薦められていますが、それは真夏に連日30℃を越す本州でのこと。
バラは30℃を越える日が続くと活動が止まってしまうのです。
しかし、冷涼な北海道では夏こそバラの季節です!
北海道では四季咲きの品種であれば夏にもバラが咲くため、適切な栄養をあげ、良い二番花に備えます。
一番花の季節になったら、夏の肥料の与え方についても記事を書く予定ですので、楽しみにお待ちください!